「ベポと、一緒に行きたい。」 思いつきだったのかもしれない。 けど、おれも船長の悪魔の実を探し出したいんだ。 それに、船長に色々なものを知らせたい。 見れなかった島、 出会う事のない人々、 触る事のできない物。 もう行く事の出来ない、新世界。 船長に、伝えたい。 そう、あの人の代わりに、おれは― おれの言葉に、ベポは暗い顔をした。 「やめておきなよ。」 「・・・え?」 「街に残った方がいいよ。」 「どうして。」 「今のキャスケット、何も考えてない。」 失ったものが、大きすぎて。 確かに、船長はおれの世界の全てだった。 賞金稼ぎとして生きてきた日々も、海賊狩りをしていた日々もあった。 けれどそんな日の事なんか思い出せない位、船長の傍は居心地が良くて。 そう、船長はおれの光で。 「おれ・・・ちゃんと、考えてるよ。」 おれの声は、震えていた。 何 を ? 「ベポと、一緒に、行くんだ。」 ああ、世界が暗闇に染まってく。 「 本 当 に 、 い い の ? 」 そう、おれは船長の代わりに・・・ おれが? 誰の代わり、だって? 世界は、こんなにも真っ暗なのに。 ・・・光が、欲しい。 もう、みることができない、ひかり。 「せんちょうに、あいたい・・・・・。」 知らず、おれはぽつりと呟いていた。 →行く →行かない |