※この話には死人・軽く猟奇的表現が含まれます。閲覧は自己責任でお願いします。

※何がおきても覚悟が出来る方のみ、お進み下さい。

















* 最期の唄 *













船長が、死んだ。






一瞬の事だった。

海は暗く、激しい嵐がおれ達を襲っていた。船が悲鳴をあげ、修復しようにも破損箇所がありすぎてどこから手をつけて良いのか分からない。クルー総出で手当たり次第補修をしてゆくけれど、一向におさまらない嵐はメインマストをも疲弊させていった。
そんな中船長が嵐に立ち向かって、指示を出しているのが見えた。
大丈夫だと、おれは自分に言い聞かせる。
きっとこんな嵐なんて、乗り越える事が出来ると。




次の瞬間、大きく揺れる船。


剥がされた巨大な木片。


身体が浮くような揺れと、雨風に乗った木片のスピードは凄まじくて。


ハッと振り向いた船長の頭を、直撃した。



一瞬の、事だった。






「船長!!!」

自分の持ち場も忘れて、無我夢中で駆け寄った。
抱き上げた体は、









ピクリとも動かなかった。














「船長!!!」