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* ゴングは鳴らされた * ※キャスペン風味注意!実際は(キャス+ペン)→ローなんで大丈夫だと…。 ギシリと、木目の板が悲鳴を上げた。 それはペンギンが一歩あとずさり、逃げ場を無くした音だった。 「・・・ねえ。考えて、くれた?」 「・・・・・・・・。」 殊更ゆっくりと歩きペンギンを追い詰めていたのは、キャスケット。 人懐こい笑みは消え、今はただ唇の端を歪めただけのような顔。トレードマークの帽子の下からは、赤みを帯びた褐色の目がギラギラと光って見えた。 「おれ、本気なんだけどなあ。」 笑っていない目で獲物を追い詰めるその姿は、まるで 獣 。 「考えるも、なにも、」 背に壁を預けたペンギンは静かに、しかし強く、対峙した相手を睨みつける。 呆れるように出された声は、少し掠れていた。 ため息混じりのそれに、キャスケットが笑みを消す。 その能面のような冷たい表情に、ペンギンはキャスケットの中に違う生き物を見た気がした。本能が逃げろと警告しているけれど、もう下がれる足場など、無い。敵と対峙した時すら味わう事のない感覚が、ペンギンを支配した。 「船長が大事?・・・でもさあ、ペンさん。」 キャスケットの腕がひゅ、と振り上げられ、ペンギンの背後の壁へと叩きつけられた。ダンッ、と一際大きな音が辺りに響き、ビリビリとした振動が背へ伝わる。 「愛してるって、おれ、言ったよね?」 聞かなかった事にする、なんて。 都合が良すぎるよ。 ぼそりと耳元で囁いたキャスケットは、軽く身を引いた。 同時に、チラリと舌で唇を舐める。 その濡れた赤が、妙に生々しく。 「・・・譲れないから。」 じゃ、また。そう言って背を向けたキャスケットを見送ったペンギンは、ゆるりと空を見上げた。 そうして、小さな舌打ちを一つ。 「おれにだって、譲れないものはある。」 さ あ 始 め よ う 、 ハ ー ト の 奪 い 合 い ! ******** 〜楽屋裏 事実はこうだった〜 ロー「お前ら、さっき何やってんだ?」 キャス「え?いや、別に?」 ペンギン「・・・まあ、俺達にも色々あるんだ。」 ロー「ふーん?そういえば今夜さあ、」 ペンギン「ああ、一緒に寝る準備はしてあるぞ?」 キャス「・・・・・。」 ロー「いや、さっきベポがな、『最近ペンギンとばっかり寝てる!ずるい!』って言ってたから、今日はベポと寝る事にした。」 ペンギン「・・・・・・・・。」 キャス「・・・・・・・・。」 ロー「じゃあまた後でな。」 ペンギン「・・・・・・。」 キャス「・・・・・・えーと、」 ペンギン「・・・・・・・。」 キャス「すいませんでした(色々な意味で)」 ペンギン「いや・・・。」 キャス「あ、じゃあ明日はおれg」 ペンギン「待て」 キャス「いいじゃないですか!おれだってたまには!」 ペンギン「そう言ってお前、何回朝寝坊してると思ってるんだ。」 以下、最初に戻るような。 キャスは獣を飼ってるし、ペンギンはそれと対峙した事がありますよ、って話(^w^) 「・・・・(おれだって船長を)愛してるって言ったよね?」 「(今夜の添い寝係を)譲れないから。」 っていう、超下らない話でした!ペンキャス風味…になったのかな・・・? ハートの奪い合いは、船長の一人勝ちの模様。 水方 葎 |