●ローの部屋について ペンギン「昼間はカーテンだけでも開けてくれ。それとサプリメントの隣に劇薬を放置しないで欲しい。部屋の隅を陣取るのは結構だが太陽の光を少しは浴びてくれ。眠れないからといって本を読み散らかすのもどうかと思う。頁がクシャクシャになっていたぞ。あとこの前、メスが床に刺さっていたが癇癪を起こした時はおれを呼んでくれと言っているだろう。」 ロー「な、何だよいきなり。」 キャスケット「(いいぞペンさん…!もっと言って!)」 ペンギン「まだ他にも言いたい事は沢山あるが、とりあえずこの位か。」 ロー「カーテンなんて閉めてあってもお前が開けに来るじゃねぇか。」 ペンギン「だがその後閉めたら意味がないな。」 ロー「サプリと薬なんて同じようなモンだろ。」 ペンギン「薬と毒が同じとは言わせないが。」 ロー「あの隅っこは楽なんだよ。」 ペンギン「一日あの場所に居る時もあるだろう。不健康だ。」 ロー「本はちゃんと積み上げて読んでる。」 ペンギン「その後、積み上げた山を蹴飛ばしているのは覚えてるか?」 ロー「癇癪なんて起こしてねぇ。」 ペンギン「そうか。」 キャスケット「(駄目だ…。・・・おれ、ついていけない!!!)」 ベポ「基本的にキャプテンの部屋はキレイなのにね。」 ペンギン「酷い時は酷いが。」 キャスケット「そう、そういえばおれこの前この部屋が硝子の破片の海になってたの見たんですけど!?」 ロー「ああ、フラスコとかビーカーとか・・・勝手に割れた。」 キャスケット「割れません!!」 ペンギン「ところで船長このサプリは破棄していいか?」 ロー「何勝手に人の食事を捨てようとしてんだよ!?」 ベポ「栄養補助薬は食事とは言わないよキャプテン…。」 キャスケット「(おれからしたら血肉滴るアザラシも食事とは言わないけどな・・・。)」 ロー「ともかく、絶対捨てんじゃねぇぞ。また作るのメンドくせぇんだから。」 ペンギン「なら最初から作らないでくれるか。無理に食事を取らせる手間が省ける。」 ロー「(ムッ・・・)何か今日のお前、棘があるな・・・。」 ペンギン「そうかもしれないな。言い足りない事が山ほどある。」 ロー「・・・・てめ、」 キャスケット「わー!わー!せせせ船長、そういえばこの大きな机って手術台にもなるんですよね!おれまだ見たことないなぁ〜!」 ロー「あ"ぁ?解剖して欲しいのか?キャスケット。」 キャスケット「うわーん矛先がコッチ来たあぁああ!」 ベポ「キャプテン、このソファベッド、前から思ってたけどベポには小さいよーv」 ロー「ん?そりゃ人間用だからな。ベポが怪我やウイルスにかかったらきちんとおれのベッドで看病してやるから安心しな。」 ベポ「わーい!キャプテンのベッド大好きー!」 ロー「広いだけだろ?」 ベポ「ううん、キャプテンの匂いがするから、好き!」 ロー「そうか。おれもベポの匂い、好きだぜv」 キャスケット「(ほっ・・・。)」 ペンギン「・・・(溜息)」 キャスケット「どうしたんですか?ペンさん。らしくないというか…。船長が"ああ"なのは今に始まった事じゃないのに。」 ペンギン「・・・いや。自分がまだまだ無力だと思って、な。」 キャスケット「(これ以上船長のどこを甘やかす気だ!?この人は!!)」 ペンギン「己の無力さを船長にあたるのは間違いだ。さっきはおれが子供染みていたな。」 キャスケット「(十分大人だと思うんですが。)いやあのペンさん!」 ペンギン「?」 キャスケット「なんか…おれ、うまく言えないですけど、その、船長にはペンさんが必要だし、ペンさんは船長を何より大切に想ってる、って、それだけで十分だと思うんです。船長ってああ言っててもおれらの事すごい大事にしてくれてるし、おれも勿論船長が大好きだし・・・あぁもう何言ってるんだろ・・・!」 ペンギン「・・・。」 キャスケット「だから、ペンさんが船長を気遣って言ってるのは船長も分かってると思います、ていうか・・・だから、ペンさんの想いは届いてるから無力なんかじゃない、なんて…。え、偉そうですよね、おれ!すんません!」 ペンギン「ふ・・・いや、有難う。」 ロー「お前ら何やってんだよ。今からベポが手品見せてくれるってよ。」 キャスケット「何がどうなってそんな流れになってんの!?」 ペンギン「あぁ、今行く。」 ロー「・・・ったく、小言くらい聞くだけならいつでも聞いてやるっての。」 ペンギン「(小さく笑って)聞くだけじゃなくて実行してもらいたいものだが?船長。」 ロー「それは別のハナシ。」 ベポ「二人ともはーやくー。ベポとっておきの手品だよぉ〜。」 Side L fin. ローの部屋は一応兼医務室的な。簡単な処置なら他にある談話室だけど重症ならコッチ。 船長が(普段通り)寝ずにオペしてくれるよ! ローとペンギンの喧嘩はトラウマになってるキャス。その話は後日。 部屋には薬品とか色々置いてあるから、コッチは色々な意味でペンギンの部屋より危険。 風通しいい窓配置のはずが一番暗くて淀んでる。朝方にようやく眠って昼前に起きる生活の船長。 ペンギンが換気をしにくるよ! 2009.05.19 水方 葎 |